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講義名 シューズ企画設計
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 4学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Planning and Designing Shoes
学部・学科 服装学部ファッションクリエイション学科

担当教員
氏名
◎ 永井 伸夫

授業概要 / Class Description  足について解剖学的,生理学的に学び,足と靴に関する専門的知識を養う。また歩容に関して学びながら、靴の製造方法による違いと特徴について学ぶ。
 足の形態や機能、歩容に関して学びながら、足と靴のパーフェクト・フィッティングを実現させ,足と靴の関係における不具合の解消を目指す。足と靴が適切にフィットしていることにより,立位における安定性および歩行時の歩きやすさが生まれる,と言う理論によりシューズの機能性評価を静的解析,動的解析の両側面から行う事により,機能性の向上を期待できるものと考える。足部の正しい計測方法を学び、足型とラストの比較を行うことにより,足と靴のフィッテングを証明するための明確なエヴィデンスとなりうる。靴の製造方法による違いと特徴について学び,材料となる皮革についてもその種類や加工法について学ぶ。
到達目標 / Goal  靴の製造に関して,デザイン,製造に関する基礎的事項,また材料となる皮革素材について基本的知識を得ることを目的とする。
 卒業後,シューズファッション系アパレル業界に進むことを目標としている学生に,シューズに関して製法,種類,材料の皮革の種類および加工法等について幅広く有益な情報を享受する。また正確な足の計測方法を学び,足型(ラスト)との比較,さらに靴とのフィッティングを行い,JISのサイズ規格(JIS S 5037:1998 靴のサイズ)を学ぶ。
実務経験 / Business Experience 🔸永井伸夫は高等学校理科(専修)の資格を有し、高等学校理科(生物)の教員経験を持つ。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回オリエンテーション(全体の講義スケジュール)
Ⅰ.足と靴 
1)足の解剖学
 ① 足の骨の構造,筋,靱帯
 ② 脚の形態と機能
第2回Ⅰ.足と靴
2)足の生理学
 ① 足の皮膚の構造と特徴
 ② ヒトの足の特徴:アーチの形成と機能
第3回Ⅰ.足と靴
3)足と靴の関係
 ① 靴のサイズ表記(JIS規格)を学ぶ
 ② 足のサイズ計測法
 ③ 足のサイズ,基礎から応用まで
   (足長,足幅,足囲(ボールガース),捨て寸,ころし,
   全身姿勢,脚軸の傾き・足部変形の観察) 
 ④ 足と靴のフィッティング:パーフェクト・フィッティングとは
第4回Ⅱ.靴の製造について 
1)靴の製法を学ぶ
 ① 製法による靴の分類 
 ② デザインによる靴の分類
第5回Ⅱ.靴の製造について
2) 靴の素材
 ① 皮革の種類と特徴,用途
 ② 皮革の加工方法(クロム鞣し,タンニン鞣し,混合鞣し)
第6回Ⅲ.靴の快適性と健康
1)足の病理学
 ① 身近に起こる足の疾病とその要因
 ② 足と靴の関係における不具合を考える
 ③ インソールによる足部フィッティング補正
第7回Ⅳ. 歩行の原理
 人類は進化の過程で直立二足歩行をする道を選んだ。この道はヒトにとって極めて厳しい選択であった。つまりヒトは直立二足歩行を行うため、自身の足の骨格を小さくて細いものにする必要があった。さらにヒトは安全に歩くため靴を足に装着する必要があった、進化による足の骨格の変化と、その後の文明社会における靴の導入という大きな命題を抱えながら、ヒトは見事に進化を遂げ、類人猿の中でも格別優秀で、地球全体を支配したと言っても過言ではないほど、高次な能力を短期間に身につけたと言えよう。 本講義では、
① 直立二足歩行とヒトの進化の関係性
② 文明社会への靴の導入, 靴の歴史等について講義し、ヒトと靴の関係を明確にする。
第8回Ⅴ.スポーツシューズに要求される新機能
 スポーツシューズ開発における先端研究 ~教育現場からオリンピックまで~:日本および世界の主要メーカーが実践してきた研究開発について講義する。
第9回Ⅵ.日本から世界へ、某シューズメーカーの経営戦略から学ぶ
日本の某シューズメーカーが長年取り組んできた機能性に関する研究と、近年取り組んできたデザイン性の向上により、本メーカーのブランド力を世界的レベルにする結果となった。このストーリーを紹介し、経営戦略の成功の裏に隠された要因を考える。
第10回Ⅶ.日本から世界へ、ファッションアイテムとしてのシューズを考える
日本が世界に発信できるコンテンツとして、食、漫画、アニメ、着物、その他ファッションと同等に日本のシューズもファッションアイテムとして今話題となっている。この点に着目して講義する。
第11回Ⅶ.日本から世界へ、ファッションアイテムとしてのシューズを考える
日本が世界に発信できるコンテンツとして、食、漫画、アニメ、着物、その他ファッションと同等に日本のシューズもファッションアイテムとして今話題となっている。この点に着目して講義する。
第12回Ⅷ.理想の靴のデザイン
1) これまで学んだことをもとに,あなたが企画設計するとしたらどんなシューズを作りたいかを考え企画してください。
 ① アパレル製品企画の基礎
 ② 自分が取り扱ってみたいと思う製品を考案し、簡易な企画書を作成する。ここで言う簡易な企画書と言うのは、シューズの機能性について項目別にまとめたものを言い、デザイン画とともに最終日に提出する。
第13回Ⅸ.理想の靴のデザイン
2)シューズのデザイン画の描き方を学ぶ。デザイン画の製作。
第14回Ⅸ.理想の靴のデザイン
3)企画したシューズについて、機能性に関する事項は簡易企画書として、デザインについては主にデザイン画で表現し提出する。
4)最終日に、受講者各自約5分の持ち時間にて、プレゼンテーションを行う。発表様式はPowerPointによりプレゼンテーション資料を作成し、対面またはオンラインにて発表会を行う。
授業形式 / Teaching Method 対面またはオンライン形式での講義とする。
受講者の数により授業形式を対応させていく(学生の人為的なセレクションは行わない予定)。
評価方法 / Evaluation 1.評価の方法 A(S)~C・E評価
2.評価の基準 デザイン画・レポート 50%、授業への意欲 50%
教科書等 / Textbook 講義において必要とされる資料等配布する。

準備学習 / Preliminary study 日頃から、市販されている各種のシューズの機能性やデザインに注目し、デザイン発想に生かすよう心がける。
担当教員問合せ先 / Office to contact 機能デザイン学研究室(A081a)