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講義名 心とからだのサイエンス
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 3学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Science of Mind and Body
学部・学科 造形学部デザイン・造形学科

担当教員
氏名
◎ 齋藤 満里子

授業概要 / Class Description 「心とからだのサイエンス」を中心テーマとして、2つの課題について解説する。具体的な資料を参考にして、今までに学んだ理科の知識を、「現代人のセンス」のかたちに再編成して、人生に役立つ「ライフサイエンス」の立場から、身の回りの具体例をいくつか提示しながら、わかりやすく丁寧に解説する。
 1つ目の課題では、「からだが自分を外敵から守る」という自己防衛システムである「免疫」の基礎について資料をもとに解説する。私たちの体はどのようなシステムで、自己の成分と細菌や化学物質などの異物とを区別して排除しているかについて、そしてそのシステムを応用した予防や治療例について、また現代人の多くが悩まされているアレルギーについて、それぞれ環境の変化と関連付けて解説する。
 2つ目の課題では、太陽光に含まれる紫外線が生物に与える影響について、日常生活を通して経験する皮膚の日焼け現象から解説しつつ地球規模の環境破壊問題へと関連づけて、健康や環境に与える影響を中心に解説する。
到達目標 / Goal  1つ目の課題では、私たちのからだはどのようにして、細菌やウィルスなどの異物から身を守っているかについて、健康を守るからだの仕組み(免疫)を学ぶことによって理解できるようになる。さらに免疫を応用した予防法や治療、免疫反応が過敏に起こることにより生じるアレルギーについて理解できるようになる。
 2つ目のテーマでは、太陽光に含まれる紫外線について、紫外線によって日常生活で起こる身近な日焼け現象から、既に対策が検討された地球規模の環境破壊問題の現状を理解する。また、この問題に関心を持ち、健康問題と関連させて環境について考えることができるようになる。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回オリエンテーション
 ・授業のテーマについての意義と説明
 ・授業の受講についての説明

(オンライン授業の場合)
 ・リモートオンライン授業の受講について説明
  Classroomへの登録、授業を受講する端末の整備について
  出席の取り方、担当教員との連絡法、質問の方法
  課題の提出について、オンラインによる試験について 
第2回「からだを守るシステム(免疫)」1

・からだを外敵から守る成分はどこで作られるか
・からだを守るためにどのように存在しているか
・からだを守るための拠点
第3回「からだを守るシステム(免疫)」2
 自然免疫のしくみ(すべての動物に生まれながらに備わっている生体防御機構)

・3つの防衛ラインを駆使してからだを守る
・1つ目の防衛ラインでは、外部からの異物の侵入を防ぐ(皮膚や粘膜)
・1つ目と2つ目の防衛ライン「自然免疫」
第4回「からだを守るシステム(免疫)」3
 自然免疫から獲得免疫へ

・自然免疫では、異物を食作用で排除しながら、異物の情報を読み取り伝える
・食作用と炎症反応  
第5回「からだを守るシステム(免疫)」4
 獲得免疫のしくみ(脊椎動物のみに備わる3つ目の防衛ライン)(1)

・異物の情報をもとに効率的に2つの方法を駆使する
・細胞性免疫と体液性免疫
第6回「からだを守るシステム(免疫)」5
 獲得免疫のしくみ(脊椎動物のみに備わる3つ目の防衛ライン)(2)

・細胞性免疫のしくみ(感染した細胞を排除する)
・体液性免疫のしくみ(抗体という武器を使用して異物を排除する)
第7回「からだを守るシステム(免疫)」6
 獲得免疫のしくみ(脊椎動物のみに備わる3つ目の防衛ライン)(3)

・抗原抗体反応
・抗体の種類と特徴
第8回「からだを守るシステム(免疫)」7

・感染症にかかり治癒して免疫力をつける
・ワクチン接種により免疫力をつける
第9回「からだを守るシステム(免疫)」8
 不利益な免疫反応(アレルギー反応)(1)

・無害な(または必要な)異物に対して起きる免疫反応
・アレルギーの分類と特徴
第10回「からだを守るシステム(免疫)」9
 不利益な免疫反応(アレルギー反応)(2)

・アレルギー体質が増加した理由
・命にかかわるアレルギー反応 
第11回「紫外線と健康」1

・太陽光の分類 波長によって分類する
・紫外線の分類と特徴
第12回「紫外線と健康」2

・紫外線の反射と透過
・皮膚への影響と健康被害
 日焼け(サンバーンとサンタン)
 紫外線による皮膚がん  
第13回「紫外線と健康」3

・地球環境破壊「フロンガスによるオゾン層の破壊」について現状を知る
・大気の清浄化と地球温暖化の影響
第14回「からだを守るシステム(免疫)」
「紫外線と健康」

2つのテーマそれぞれについて
・キーワードの確認と全体の復習
・全体を整理して重要な点を確認する
評価方法 / Evaluation A(S)~C・E評価
評価の基準 試験・レポート60% 課題20% 授業への意欲と参加度20%



教科書等 / Textbook 毎回授業時に適宜資料を配布する
準備学習 / Preliminary study 配布資料を基に、授業内容を復習し、次回授業回の内容に目を通しておくこと(1時間程度)
心とからだの健康維持に努めると共に、環境問題に関心を持つよう心掛けること。
担当教員問合せ先 / Office to contact 総合教養・体育学研究室(A046a)