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講義名 ★被服管理学
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 3学年
必修・選択 必修
講義名(英文) Clothes Care
学部・学科 服装学部ファッションクリエイション学科

担当教員
氏名
◎ 角田 薫

授業概要 / Class Description  繊維製品本来の性能保持と着用中に変化した性能を元の状態に回復させるための合理的な被服管理のありかたを学習する。また、被服の洗浄と水質汚濁・大気汚染や被服の廃棄処分によるゴミ問題などの面から環境問題を認識する。
到達目標 / Goal ・生産、流通、消費において必要な衣服の管理をすることができる。
・衣服の洗浄・保管に関する適切な条件や方法を考えることができる。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回1. 被服管理学とは、 
2. 被服の調達
 被服管理学は、どのような学問であり、その知識は一般生活または産業界において被服の調達やその取扱い上でどのように役立つかを解説する。
第2回3. 被服の汚れ 
3-1. 汚れの種類と性状 
3-2. 汚れの付着状態と付着力
 汚れには様々な種類が存在し、そのため繊維と汚れの付着状態も異なることを解説する。
第3回3-3. 汚れによる繊維製品の性能低下
4. 被服の洗浄(家庭洗濯、商業洗濯) 
4-1. 水系洗浄(家庭洗濯、ウェットクリーニング等)
 家庭洗濯と商業洗濯の違いを理解し、水を用いる洗濯と有機溶剤を用いる洗濯のメリット、デメリットを解説する。
第4回4-1-1. 洗濯用水(軟水、硬水、軟化法)
4-1-2. 洗剤(界面活性剤、ビルダー)
 水に含まれる金属イオンの違いによって、界面活性剤の影響を受け、洗浄効率が低下することを理解し、またそれを防止するためのビルダーの働きを解説する。
第5回4-1-3. 洗剤水溶液の作用 
4-1-4. 洗剤と環境問題
 洗剤水溶液が汚れを落とすメカニズムを、洗剤水溶液が発揮する諸作用から解説する。また、洗剤の使用が環境に対してどのような影響をするのかについて解説する。
第6回4-2. 非水系洗浄(ドライクリーニング) 
4-2-1. ドライクリーニングの特質 
4-2-2. ドライクリーニング溶剤の種類
4-2-3. ドライクリーニング溶剤と環境問題 
 水を使用しないで、有機溶剤で洗浄するドライクリーニングについて、溶剤の種類と特徴、世界的な技術動向を安全性や環境問題の観点と結び付けて解説する。
第7回5. 洗浄力試験 
5-1. 汚染布
5-2. 洗浄試験機
 洗浄力測定用の汚染布および試験機について、日本および海外で用いられるものについて解説する。
第8回5-3. 洗浄条件 
5-4. 洗浄力評価法
 洗浄条件にはどのような要因が含まれ、洗浄力にどのように影響するかを解説する 
 また、洗浄力評価法の種類と特徴について解説する。
第9回6. 家庭洗濯の実際 
6-1. 手洗いと洗濯機 
6-2. 洗濯の手順と洗濯条件
 家庭で行う手洗い洗濯と洗濯機洗濯のそれぞれにおける手順と洗浄条件における注意点を解説し、また最近の洗濯機の進歩について紹介する。
第10回7. 漂白、増白、しみ抜き 
7-1. 漂白
 漂白剤の種類として、酸素系と塩素系、酸化系と還元系の違いについて作用メカニズムを化学反応から説明し、それぞれの漂白剤の特徴と注意点を解説する。
第11回7-2. 増白 
7-3. しみ抜き
 増白の種類として、色味剤や蛍光剤の違いについて作用メカニズムを科学的に解説する。また、しみ抜きの種々の方法と特徴・注意点を解説する。
第12回8. 洗濯後の仕上げ 
8-1. 糊つけ仕上げ 
8-2. 柔軟・帯電防止仕上げ
8-3. アイロン仕上げ
 洗濯仕上げで行う糊つけ・柔軟剤のメリットを説明し、糊付け剤および柔軟剤の種類および使用方法、作用メカニズムについて解説する。また、仕上げ時に使用するアイロンの使い方および注意点を説明する。
第13回9. 被服の保存 
9-1. 被服に繁殖するカビと防カビ法
9-2. 繊維害虫と防虫法 
 衣替えなど日本独特の保管習慣において、高温多湿化で保管する際に発生しやすいカビや食害虫について、その発生を防ぐため防カビ・防虫方法を解説する。
第14回9-3. 保管方法 
10. 繊維製品の損傷劣化
 衣類の保管における防カビ・防虫の方法は、家庭内だけでなく、グローバル化するアパレル産業の物流においても繊維製品の品質劣化に関係し、重要な技術となっていることを解説する。
第15回11. 被服の廃棄とリサイクル
 衣服の生産、流通、購入、着用、洗濯、廃棄にいたるライフサイクルを通して、環境への影響を考えることも被服管理において大切であることを説明し、その中におけるリサイクルや廃棄についての考え方を解説する。
授業形式 / Teaching Method 調査学習を通じて得た内容を基に実際のメカニズムなどを学ぶなど発展的授業を行う。
評価方法 / Evaluation 評価方法:A(S)~C・E評価
評価の基準:試験60%,授業への意欲・参加度40%
教科書等 / Textbook 教科書なし
必ず本科目専用のノート(ルーズリーフ不可)を1冊用意すること
準備学習 / Preliminary study 参考書を活用し、予習・復習をすること。
本科目専用のノート(ルーズリーフ不可)を1冊用意し、毎回の授業内容をまとめること。
担当教員問合せ先 / Office to contact テキスタイル研究室(A073a)
備考 ※2年生後期開講の被服管理学実験の基本となる科目である。

※教科書はなしとしているが、参考書として、以下のような被服管理学の本を活用するとよい。
 ・林雅子 監修『被服管理学および実験』(文化出版局)
 ・増子富美 他『被服管理学』(朝倉書店)