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講義名 化粧文化史
(副題)
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 3学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Culture History of Makeup
学部・学科 服装学部ファッション社会学科

担当教員
氏名
◎ 津田 紀代

授業概要 / Class Description 欧米、日本の美意識と化粧文化について、紀元前から21世紀までの具体と各時代に、どうような意味を持っていたのかを見直す。また、装身具として、耳飾り(ピアス)、扇をとりあげ、形、意味、用途,変遷状況などを各時代の資料、映像により、具体的に学び、東西の違い、共通点などを探る。
到達目標 / Goal 日本、欧米の人と化粧のかかわりの深さを知り、さらに化粧とファッション文化との関わりを探り、化粧、ファッションを含めた装身文化の有用性について考察する。
実務経験 / Business Experience 装身文化研究関連の研究所にて、研究員、キュレターとして、東西の化粧文化史、装身具史、美人観を研究し、古代から21世紀の化粧道具、髪飾り、扇などの調査収集を行ってきた。成果は、国内外の美術館の企画展示、関連講演、書籍、国際交流基金による日本文化紹介の催事(イギリス、ハンガリー、ドイツ)、イタリア(ポリモーダ)などで発表している。
授業計画 / Class schedule
時限担当教員・担当教員フリーテキスト内容
第1回4時限津田 紀代装身文化と化粧の定義  化粧とは何か?服飾、装身具と共に化粧を定義して、人の装身文化の重要性を知り、そのなかでの化粧の重要性を考察する。具体的には、世界各地の特徴的な化粧を取り上げ、その意味を読み解く。なお、東西共通の装身具のひとつ、耳飾り(イヤリング・ピアス)をとりあげ、その歴史を知り、東西比較、化粧との関係性について考察する。
第2回4時限津田 紀代古代オリエントの美意識と化粧文化  エジプト、シュメール、バビロニア、アッシリア、ペルシャ等の化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、髪等ーの具体的内容と特徴、化粧の意味を考察する。映像視聴予定。
第3回4時限津田 紀代古代ギリシア、ローマの美意識と化粧文化 具体絵的な肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、美白意識、香り、髪等ーの特徴、化粧の意味を考察する。映像視聴予定。
第4回4時限津田 紀代中世、15,16世紀の欧米の美意識と化粧文化  化粧に対して否定的な中世から身体賛美の15,16世紀の化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、髪等ーの特徴、化粧の意味を考察する。映像視聴予定。 

第5回4時限津田 紀代17、18世紀の欧米の美意識と化粧文化  貴族社会で爛熟期を迎えた化粧文化の特徴を知るー上流で開花した化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、髪等ー具体と特徴を、当時の文献、版画資料から考察する。映像視聴予定。
第6回4時限津田 紀代19世紀の欧米の美意識と化粧文化  価値観の転換と化粧文化の大きな変化、ブルジョワ台頭による化粧需要の拡大状況を知る。フランス革命を契機に大きく変化する化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、髪等ーの具体と化粧の意味を考察する。映像視聴予定。
第7回4時限津田 紀代20世紀の欧米の美意識と化粧文化  市民層への化粧浸透状況、髪の文化の大きな変化を知る。女性の社会進出に伴い、普及していく化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、ダイナミックな変化を遂げていく髪等ーの特徴を当時の版画や文献から考察する。映像視聴予定。
社会状況によるが、フィールドワークレポートの課題提示予定。
第8回4時限津田 紀代日本の化粧文化の時代概要、及び原始・古代・中世の日本の美意識と化粧文化  化粧文化について、色彩、身体部位、海外交流の視点から、時代的特徴を確認し、赤白黒の化粧の萌芽から確立していくようすを知る。具体的にはー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香りの発達のようす、髪の変化等ーを考察する。日本緒の香りテイスティングと香りを衣装へ移す道具の組み立てを受講生が試す。映像視聴予定。
第9回4時限津田 紀代近世の日本の美意識と化粧文化  赤白黒の伝統化粧が完成していくようすを知る。具体的にはー肌、目、眉、口、頬、爪のメイク・ケア、香り、髪のダイナミックな変化等ーを考察する。当時の化粧道具、結髪見本、文献、版画閲覧、結髪文化の映像視聴予定。
第10回4時限津田 紀代近代⑴明治時代の美意識と化粧文化  欧米の影響を受けて揺れる価値観とお歯黒、眉化粧の廃止、色彩萌芽と肌メイクの革新、目、口、頬、爪のメイクとケア、香り、髪の洋風化のようす等ー新しい化粧文化を模索するようすを知り、特徴などを考察する。当時の文献、版画の閲覧、映像視聴予定。
第11回4時限津田 紀代近代⑵大正・昭和(戦前)時代の美意識と化粧文化  新しい価値観のもとで、新しいライフスタイルと共に、新しい日本の化粧が広まっていくようすを知る。具体的には、洋風の肌、目、口、頬、爪のメイクとケア、香り、髪の変化のようすを考察する。当時の文献、絵画閲覧、映像視聴予定。
第12回4時限津田 紀代現代⑴1945~1970年代の美意識と化粧文化  戦前に培った新しい日本の化粧ー肌、目、眉、口、頬、爪のメイクとケア、香り、髪等―が第二次世界大戦後、大きく変化しつつ、浸透していくようすと新しい化粧文化の重要性を考察する。映像視聴予定。
第13回4時限津田 紀代現代⑵1980~2020年代の美意識と化粧文化  1980年代バブル期以降、大きく変化しつつ、化粧文化が進化し浸透していくようすを知る。具体的には、肌、目、口、頬、爪などのメイクとケア、香り、髪等、ジェンダーと化粧文化の関わり方等、さらなる化粧文化の重要性を考察する。香りのテイスティング、映像視聴予定。
第14回4時限津田 紀代東西の重要な装身具の一つであり、コミュニケーションツ―ルでもあった「扇」について、東西の歴史、用途等類似点、差異などを考察する。映像視聴予定。
内容確認レポートの課題提示とフィードバックを行う。
授業形式 / Teaching Method パワーポイントによる各時代の化粧関連画像、参考としてファッション画像を多用し、映画などの映像視聴により、視覚的にわかりやすくする。
現物資料ー西洋版画、書籍、20~21世紀香水、日本髪の結髪ひな型、浮世絵版画、江戸期の和書、紅、白粉、香木、香りの道具等ーを閲覧、回覧、再現、香りのテイスティングなどを受講生が試みる。(例:江戸時代の香りの道具(復刻)の組み立てと香炉、着物のセッティングを再現する)
社会状況によるが、フィールドワークとして各自が化粧文化の視点から展覧会、映画鑑賞を行い、レポートする
評価方法 / Evaluation A(S)~C・E評価
フィールドワークレポート、内容確認レポート60%、授業態度40%。フィードバックを行う。
教科書等 / Textbook 指定なし
準備学習 / Preliminary study 予習として、化粧、装身具文化の視点を入れて、各回のテーマに関連する絵画、服飾の展覧会、音楽、映画、スポーツも含めた映像を鑑賞し、時代の美意識を探る。(1時間程度)。また、復習として、各回のレジュメから各時代、地域による化粧、髪、装身具の文化の具体、人の意識を確認し、化粧、装身文化の重要性を考える。(1時間程度)。
担当教員問合せ先 / Office to contact 服装社会学研究室(A064)津田紀代