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講義名 ファッションメディア論
(副題)
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 3学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Fashion Media Studies
学部・学科 服装学部ファッション社会学科

担当教員
氏名
◎ 田中 里尚

授業概要 / Class Description 現代には、私たちの服装を特別なものとして錯覚させる機能を持つ諸メディアが存在する。それを仮に「ファッションメディア」と名付ける。本講義では、こうした「ファッションメディア」の誕生と展開、分類と表現、内容と力について、歴史的な展開とその実例を見ながら説明をする。その上で、その説明をスムーズに理解するための理論についても同時に学ぶこととする。
到達目標 / Goal この講義を通じて、メディアの歴史を正確に理解できるようになる。その上で「ファッションメディア」を読み解くためのリテラシーを習得する。その上で、メディア理論の系譜についても、一通りの説明ができるようになることを目標とする。
実務経験 / Business Experience フリーランスという立場で2001.2月~2004.3月まで、暮しの手帖社の編集業務に携わった。実績としては、『暮しの手帖 300号記念特別号』、「商品テスト」ページ、新刊誌『生活技術』(Vol.1~2)など。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回メディアの認識論:メディアという言葉の意味を理解したうえで、対人コミュニケーションおよびマスコミュニケーションにおけるメディアの機能と役割について講義する。
第2回メディアの歴史1:メディアが物質化されていった歴史と、書籍メディアが果たした歴史的役割について講義する。
第3回メディアの歴史2:ファッション情報の成立と背景、そして産業革命以降の情報産業の発展について、写真の黎明期と絡めて、講義する。
第4回ファッション写真1:20世紀アメリカにおけるファッションメディアの成立とファッション写真の確立、ジャンルの生成の過程について、講義する。
第5回ファッション写真2:ファッション写真ジャンルの表現的・技法的展開を追いながら、ファッション写真のルールや、そこに現れる規範のありようを、講義する。
第6回モデルと有名性1:ファッション写真の戦後的展開の中で、被写体としてのモデルが注目されていく軌跡を絡めながら、「有名性」という概念について講義する。
第7回モデルと有名性2:モデルの歴史を追いながら、時代がモデルの外見を通じて、人々に美の規範を提示するようになった歴史的経緯と表象的なメカニズムを講義する。
第8回モデルと保証人:スーパーモデル現象を具体例として、モデルがファッションの新しさを保証する存在になっていく歴史的展開を講義する。
第9回日本の活字ファッションメディア1:服飾情報の発生から、洋裁雑誌『装苑』の成立までの歴史をたどる。
第10回日本の活字ファッションメディア2:『装苑』の表紙の変化を具体例として、洋裁からファッションへと変化する兆候が雑誌メディアの表現の中に反映されているかを読み解く方法を講義する。
第11回日本の活字ファッションメディア3:ファッション雑誌の登場と展開について講義しながら、表紙、目次、広告、特集記事、スタイル写真、「保証人」、コピーライティングといった側面から誌面を解読する方法を講義する。
第12回グラフィックデザインと時代の感性1:ラフォーレ原宿のポスター表現の変遷を講義しつつ、個別のブランドやスタイルを代表しないファッションメディア表現が時代をどのように映し出すのか、という問題について講義する。
第13回グラフィックデザインと時代の感性2:パルコの80年代のポスターやルミネの00年代のポスターとラフォーレ原宿のポスターを比較対象しながら、時代の感性が別メディアによって分有されている様相について講義する。
第14回ファッションメディアとしてのSNS:デジタルメディアとファッションの関係性について、SNSを具体例としながら、メディア環境の現代的問題について講義する。
授業形式 / Teaching Method 講義形式ではあるが、随時リアクションペーパーなどの特定のテーマについて書いてもらい、その中の代表的な内容を講義前に解説、フィードバックすることで理解の深化と、授業への参加意識を高めてもらう。
評価方法 / Evaluation A(S)~C・E評価
参加の積極性50%、レポート50%
教科書等 / Textbook 適宜プリントを配布する。
準備学習 / Preliminary study ①授業で紹介する参考文献の当該箇所を事前に読む(1時間×14回)
②授業の内容をノートにまとめ、理解度を自身ではかる(1時間×15回)
③参考文献の当該箇所を再度読み、理解を深める(1時間×15回)
④課題レポートの下調べを行い、執筆の準備を行う(11時間×1回)
⑤課題レポートの執筆を行い、推敲して完成する(5時間×1回)
担当教員問合せ先 / Office to contact 服装社会学研究室(A064)