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講義名 日本経済・産業史特論
(副題) 繊維・衣服産業を中心に
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Advanced Study of Japanese History of Economy and Industry(Focusing on Textile and Apparel Industry)
学部・学科 大学院生活環境学研究科被服学専攻(博士前期課程)


授業概要 / Class Description 繊維産業は世界の経済・産業発展の歴史を牽引してきた基幹産業である。日本の近代化の過程においても繊維産業はリーディング産業であったし、第2次世界大戦後の高度経済成長を牽引したのもこの産業であった。しかし、高度経済成長の終焉にともない産業の成熟化が急速に進むとともに、アジアの新興国が急速に台頭する中で、重大な転期を迎えている。本講は、日本の経済・産業発展史において、戦後勃興した衣服産業を含めて繊維産業が果たしてきた役割を論ずるとともに、成熟化・グローバル化時代を迎えた日本の繊維・衣服産業の現状や課題について、企業のケース研究も踏まえながら考察する。
到達目標 / Goal 繊維・衣服産業を中心に日本の経済・産業発展史を海外との交易を踏まえつつ学び、日本の経済・産業の長期的発展プロセスにおいて繊維産業が果たしてきた役割に関して理解を深めるとともに、グローバル化が進行する中で衣服産業を含む繊維産業の今後の展開方向やあるべき姿について分析・研究する能力を養うことを目標とする。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回日本の経済・産業発展の歴史概観:人口と経済の超長期波動、アジアをはじめとする海外交易の展開と国内経済・産業の長期的な発展プロセス
第2回古代から中世までの概観(経済社会の勃興期):律令国家の時代(貢納経済等)から荘園制の時代(初期商品経済の発展等)
第3回中世から近世までの概観(経済社会の発展期):全国統一政権の誕生(近世商人の登場等)から幕藩体制の時代(「鎖国」体制の下での大坂・江戸を中心とする都市経済圏の形成と農村手工業の発達等)
第4回近世から近代までの概観(経済社会の展開期):幕末開港から明治期の近代工業化の進展、大正期の大衆消費文化の始まりと都市型ビジネスの台頭
第5回近代から現代までの概観(経済社会の成長から成熟・低迷期):戦後復興から高度経済成長期を経て安定成長期への移行、バブル経済崩壊後の長期低迷
第6回中世から近世に至る繊維・織物産地の形成と大衆衣生活の変化:麻から木綿の時代へ
第7回幕末開港後の外貨獲得と経済発展に貢献した製糸業(碓氷製糸等)
第8回明治維新後の近代工業化・産業革命を主導した綿紡績業(大坂紡績等)
第9回20世紀初頭における衣服流通の新たな担い手の登場:呉服商から百貨店への転換(三越百貨店等)
第10回第二次世界大戦後における繊維産業の復興、合繊をはじめとする繊維産業の発展、および、慢性的な設備過剰問題
第11回1960年代半ばからの大衆衣生活のファッション化の進展と大手アパレルメーカーの発展(オンワード樫山等)
第12回1970年代半ばから構造不況に陥った繊維産業、および、円高の進行と繊維・衣料産業の国際分業の進展
第13回ケーススタディ:戦前の繊維製造業・衣服小売業~碓氷製糸、大坂紡績、三越百貨店等
第14回ケーススタディ:戦後のアパレルメーカー・アパレル小売業~オンワード樫山、ワールド、ファーストリテイリング等
評価方法 / Evaluation 1. 評価の方法
A(S)~C・E評価
2. 評価の基準
授業態度30%、課題発表30%、レポート提出40%で総合的に評価。
教科書等 / Textbook 授業内容に関するプリントを毎回配布する。事前に参考文献を提示する。
準備学習 / Preliminary study 提示された参考文献に目を通しておくこと。
担当教員問合せ先 / Office to contact ファッション社会学研究室(A064)