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講義名 心を測る生理指標Ⅰ
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Physiological psychologyⅠ
学部・学科 大学院国際文化研究科国際文化専攻(修士課程)


授業概要 / Class Description 脳の働きと行動の関係を調べる学問領域が,狭義の生理心理学である。従来は動物を対象に,脳内刺激や,脳の部分破壊がもたらす動物の行動変容から,脳と行動の対応関係を調べていた。授業ではこれらの古典的な研究で明らかになったことがらや最近の研究成果を基に,心を測る生理指標について詳述する。
到達目標 / Goal 心を測る生理指標Ⅰの学習により,生物学的な心理学の知識が身につき,健康心理学の視野を広げることができる。
認知活動,覚醒水準,情動,ストレスなどの心理的変数と生理指標との関連や,各生理指標の発生機序について理解を深めることができる。
生理心理学の基礎を幅広く学ぶことで,生理心理学的方法を用いて心にアプローチするメリットについて学習できる。
その結果,上記の学習を援用することで自己の心理的・身体的・社会的健康の実現や,他者のそれらの健康実現援助を目標にする。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回講義のガイダンス
生理心理学は,心理学と生理学にまたがる領域で,行動の心理的機能と生理的機能の対応関係を研究する領域である。身体の変化を捉えて心を解釈するアプローチを理解する。
第2回心の座
古代より哲学者や心理学者が心の座について様々な議論を行ってきた。近年,心は脳にあるという研究者たちの共通認識を理解する。
第3回生理心理学とは
生理心理学は,主に脳電位、心拍、血圧などの電気生理学的手法を用いて,心(脳)と身体(行動)の関係を研究する領域であることを学習する。
第4回生理心理学の方法①
おもに動物を対象にしておこなう侵襲的方法を学習する。
第5回生理心理学の方法②
おもにヒトを対象にしておこなう非侵襲的方法を学習する。
第6回生理心理学で使用される機器
生理心理学は,実験的方法を用いて電気生理学的に身体の変化を捉える。データを採取する機器や,生理指標の取得データの知識を獲得する。
第7回視覚運動系活動と心① 瞳孔と心
眼は心の窓と言われるように,私たちの眼は多くの心理的情報を持っている。身近な生理指標に触れることで,生理心理学の方法を学習する。
第8回視覚運動系活動と心② 注視点と心
眼は口ほどに物を言う。注視点と心の関係について学習する。精神疾患と注視点の関係にも触れる。
第9回第9回 視覚運動系活動と心③
眼電図(EOG法)の測定方法を学習する。
第10回視覚運動系活動と心④ 瞬目(瞬き)と心
EOG法を用いた実験方法や知見を紹介する。生理指標の中で最も分かり易い瞬目の波形について,生理指標取得と分析方法を学習する。緊張した時,集中した時,興味をもった時など,心の変化と瞬目の関係を捉えた研究を紹介する。
第11回自律神経系と心① 皮膚電気活動の測定(1)
自律神経系の生理指標として最も一般的な皮膚電気活動を取り上げる。精神性発汗機能と情動や認知機能との関係を学習する。
第12回自律神経系と心② 皮膚電気活動の測定(2)
精神性発汗と認知活動との関係について学習する。防御的心理を反映する注意資源の配分について,馴化の機能を発汗によって理解する。
第13回自律神経系と心③ 呼吸とストレス
様々なストレス状況における呼吸の変化について学習する。
第14回自律神経系と心④ 心電図の測定
緊張やリラックスなど,情動と心拍や容積脈波の関係を学習する。
第15回自律神経系と心⑤ 虚偽検出(嘘発見)と生理反応
虚偽検出の実務に用いられている呼吸,心拍,容積脈波などの生理指標を紹介する。
評価方法 / Evaluation 1. 評価の方法  A(S)~C・E評価
2. 評価の基準  試験70%,確認小テスト(不定期)20%,授業への意欲,参加度10%
教科書等 / Textbook 教科書:
特に定めない。授業ではプリントを配布する。

参考書:
藤澤清・柿木昇治・山崎勝男編 『新 生理心理学』 北大路書房
堀忠雄他監修『生理心理学と精神生理学 第Ⅰ巻 基礎』 北大路書房
堀忠雄 『生理心理学―人間の行動を生理指標で測る (心理学の世界 基礎編) 』 培風館

準備学習 / Preliminary study 必ず復習して授業に臨むこと。
また,次回授業の内容については授業内でキイワードなどを案内するので必ず予習をすること。
担当教員問合せ先 / Office to contact 応用健康心理学研究室(F46)