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講義名 西洋文学
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Occidental Literature
学部・学科 造形学部建築・インテリア学科

担当教員
氏名
◎ 勝山 祐子

授業概要 / Class Description 20世紀フランスの作家で思想家でもあったアルベール・カミュが、1947年に発表した小説『ペスト』を読む。ヨーロッパでは中世の昔からペストが繰り返し流行し、その度に都市封鎖が行われた。20世紀人カミュにペストの経験はなく、文献を緻密に読み込むことで1940年代を舞台に、ペストの流行に見舞われた都市とその住民を描いた。だが、第二次世界大戦中に執筆が開始され、終戦の2年後に発表されたこの小説の主題は「パンデミック」ではない。「ペスト」は人間を否応なく襲う「災厄」の隠喩であり、「暴力」の隠喩でもある。そしてこの小説は、大きな歴史の渦に巻き込まれた人間にとって、愛とは、幸福とは、正義とは何かを問う、今日もなお色褪せることのない傑作である。世界がコロナ禍に見舞われる中、世界中でこの小説が再読されていることを補足する。
到達目標 / Goal 「不条理への反抗と連帯」というカミュの思想を理解し、その普遍性と今日的意味を考察できるようになる。
ナチス・ドイツに占領されたたフランスにおけるレジスタンス(抵抗運動)と、スペイン内戦について理解できるようになる。小説を読み解く楽しみを身につけるようになる。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回授業の方針を説明し、カミュの思想と人生を紹介する。
第2回『ペスト』の登場人物とあらすじを理解する。
第3回『ペスト』第一章を読む。登場人物のコタールについて考察する。
第4回『ペスト』第二章を読む。登場人物のランベールについて考察する。
第5回引き続き、『ペスト』第二章を読む。登場人物のパヌルー神父について考察する。
第6回引き続き、『ペスト』第二章を読む。ランベールについて再び考察する。
第7回『ペスト』第三章を読む。ペストの蔓延するオランの町の描写を理解する。
第8回『ペスト』第四章を読む。主要登場人物とオランの町の日常を理解する。
第9回引き続き、『ペスト』第四章を読む。ランベールについてもう一度考察する。
第10回引き続き、『ペスト』第四章を読む。医師リウーについて考察する。
第11回引き続き、『ペスト』第四章を読む。パヌルー神父について再び考察する。
第12回引き続き、『ペスト』第四章を読む。登場人物タルーについて考察する。
第13回引き続き、『ペスト』第四章を読む。登場人物グランについて考察する。
第14回『ペスト』第五章を読む。この小説について考察を深める。
評価方法 / Evaluation 評価方法:A(S)~C・E評価
評価基準:試験は行わない。期末レポートも課さない。各回授業終了時に特定の課題についてまとめ(40%)、続いて講読箇所に基づき自由に論じてもらう(60%)。各回の合計点から採点する。これの未記入(あるいは未記入に近いもの)、及び未提出が続くと採点不可能になるため注意してほしい。
教科書等 / Textbook この小説の和訳は複数存在する。本講義では、アルベール・カミュ著『ペスト』宮崎嶺雄訳(新潮文庫)を用いる。全編を講読して欲しい。なお、Kindleでも購入できる。
準備学習 / Preliminary study 前回の講読箇所を再読し、理解を深めること。
担当教員問合せ先 / Office to contact 語学研究室(A館4階、A046b教室)
備考 履修上限人数:170名