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講義名 現代ファッション論
(副題)
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Contemporary Fashion: from the 20th Century to Today
学部・学科 服装学部ファッション社会学科

担当教員
氏名
◎ 下山 かおり

授業概要 / Class Description 20世紀初頭から21世紀現在におけるファッションについて講義する。歴史的経緯を踏まえ、20世紀初頭から現代までの社会層、年齢層におけるファッションの文化現象を取り上げる。社会経済の成長・変化、それに伴う身体意識の変容、それがファッションにどのように影響を与え、変化していったのか講義する。
到達目標 / Goal 現代における「ファッション」的事象についての知見を積み、文化史への理解を深め、文化論的思考ができる。ファッションにおけるアイディンティティについて自分なりの考え方を持ち、「装う」ということにどんな意味があるのか考える力が持てる。現代のファッションを社会的背景と共に概観し、そのデザインにある人間の意志・意識について考える。これらの知見をもとにファッションの今後の展望について考察する。
授業計画 / Class schedule
担当教員・担当教員フリーテキスト内容
第1回 イントロダクション
現代までの政治・経済・文化的側面の変容を、ファッションと関わりの深い事象を読みときながら理解する。
第2回 身体意識の変革
20世紀初期におこった身体に対する意識の変容をファッションを通して理解する。
主にポワレ、ヴィオネ、フォルチュニーの身体観について見ていく。
第3回 新しい女性像(ガブリエル・シャネルとモード)
女性の社会進出が顕著になった1920年代以降におけるシャネルのモード改革について理解する。女性の行動変容とファッションにおける機能性の拡充とデザインのバランスについて解説する。
第4回特別外部講師 金子麻衣 イベントディレクター
イベント制作会社「(株)ティー・ツー・クリエイティブ」「(株)ソイル」
ファッションにおけるプロモーション活動(ショー・イベント)
ファッションショーの歴史を振り返り、現代ファッションにおけるプロモーション活動の重要性について理解する。その中でイベントディレクターはファッションを発信する側として、重要な位置づけにある。実際に現場で仕事をするディレクターの講義を聞き、理解を深める。
第5回 モダンデザインとファッション
モダンデザインがどのようは背景から生まれてきたのかを概観する。アーツ&クラフツ運動、ウィーン工房、バウハウス、アール・デコの美術とその時代のデザイナーが手掛けたモードについて学ぶ。
第6回 ヤングジェネレーションとファッションの力
ヤングジェネレーションの台頭とともに新しいライフスタイルが誕生した1960年代のファッションについて理解する。
第7回 ジェンダーとファッション
1970年代以降にみられるフェミニズムの勃興とファッションの関連性を踏まえながら、メトロセクシャル、ジェンダーレス、アンドロギュヌスなどの諸概念を整理しながら、フェミニニティとファッションについて講義する。
第8回 タウンウエア・ワークウエア文化史
1990年代以降のストリートファッションの変化やグローバリゼーションの広がりを理解するために、「デニム文化史」という着眼点から、労働着のタウンウェア化とファッション現象、そして女性の社会進出の関わりについて講義する。
第9回特別外部講師 大杉真心 ファッションリポーター
INFASパブリケーションズ 「WWDジャパン」編集部
メディアとファッション
メディアの発達とともにデザイナーの作品はさまざまな形態で発表されてきた。WWD(Women's Wear Daily)Japanの元記者の講義を聞き、現代のファッションデザイナーが繰り広げるコレクションの実態を知る。
第10回 フォーマルウエア文化史
フォーマルウエアの成り立ちと現在のルール・マナーについて学ぶ。
1990年代以降に流行した「ドレスダウン」「着崩す」という行為は、本来の「正統な着方」を理解した上で成り立つテクニックであると言える。国際的プロトコルやドレスコードを理解し、着こなしとマナーについて考察する。
第11回 流行のリバイバル
2000年代セレブリティを中心に発展したファッションについて概観する。2021年からにわかに流行となった2000年代ファッションのリバイバルファッション「Y2K」についても概観し、なぜ一定期間が過ぎると鎮静化した流行が復活するのかについて考える。
第12回 2023年春夏コレクショントレンド
パリ・ミラノ・ロンドン・ニューヨークの4都市のコレクションのトレンドを把握する。
モード発信の中心地であったコレクションシステムの脱中心化という2000年代以降の状況を理解するために、最新の春夏コレクショントレンドについての分析を行い、現在におけるコレクションの意味を考える。
第13回 文化の盗用問題
コレクションにおいても民族衣装にインスピレーションを得た作品が発表される。ハイブランドにおいてもたびたび指摘される文化の盗用について具体的な事例をあげ、創作活動におけるデザインの応用と盗用について考える。
第14回 総括
現代のファッションを社会的背景と共に概観し、そのデザインにある人間の意志・意識について考える。これらの知見をもとに21世紀ファッション今後の展望について考察する。
評価方法 / Evaluation A(S)~C、E評価
授業態度30%、レポート70%
教科書等 / Textbook 適宜、プリントを配布。
参考文献は授業内で指示。
準備学習 / Preliminary study 初回に参考図書を提示するので、それらを可能な限りで良いので目を通しておくと良い。レジュメを講義の1週間前に配布するので、事前に目を通しておくこと。また、授業中は配布資料に書込みをしたり、独自のノートを作成するなどしてメモをとり、それらをもとに授業後に復習しておくこと。(予習・復習合わせて1時間程度)
担当教員問合せ先 / Office to contact 服装社会学研究室(A064)