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講義名 広告論
(副題)
講義開講時期 後期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Advertising
学部・学科 服装学部ファッション社会学科

担当教員
氏名
◎ 陳 海茵

授業概要 / Class Description 広告は企業のマーケティング活動において中心的な役割を果たしている。しかしながら、広告と一括りにしても、時代背景や経済状況を反映してその手法や表現は変化してきた。そしてそこには、時代や地域で共有される規範や価値観が反映されている。この講義では、まず、消費社会論や表象文化論における基本的な思考枠組みや基礎概念を学ぶ。その後、現代の国内外の企業活動における広告の機能や役割を学んでいく。企業が自社や自社製品のブランドを作り上げていく手法や、広告を通じたコミュニケーションについて、実際の事例を参照しながら学んでいく。最終的に、社会構造や産業状況との関わりのなかにおけるメディアとしての「広告」の在り方を、社会学的視点から学んでいく。
到達目標 / Goal この講義の到達目標は以下の2点である。

(1)「広告」を通して,消費社会論・経営論・表象文化論など多角的な学問的視座を理解する
(2)実際の広告の事例に触れ、企業活動と広告表現と日常生活の関連性を理解する

単に広告について学ぶ、知識を増やすという態度ではなく、アカデミックな理論とケーススタディの往還を通じて主体的に考え、自分の意見を積極的に述べることを目指してもらう。
授業計画 / Class schedule
内容
第1回イントロダクション:
本授業の目標、受け方、課題の出し方、成績の付け方について概説する。
第2回「広告」の種類と歴史:
広告を構成する構成要素とは何か、広告の媒体特性とは何か、広告はいつ・どのように誕生したのか。
第3回マーケティングの考え方とブランド・コミュニケーション:
マーケディング・コミュニケーションとは何か、ブランド戦略の考え方、マーケティングと広告の関係性はどのように規定されるのか。
第4回大衆消費社会論を知ろう:
顕示的消費・記号的消費とは何か、大衆消費社会の成り立ちと変遷について。
第5回テレビCMと広告表現の表象分析:
テレビCMの特性と効果とは何か、テクストとイメージの分析から考える1970年代〜2000年代のテレビCMの移り変わりについて。
第6回インターネット広告の成り立ちと種類:
バナー広告、リスティング広告、インプレッション保証型契約、SEOなどインターネット時代に普及した広告のあり方について。
第7回「広告制作者」はいかなる人々か:
広告代理店のビジネスモデル、広告会社の業務内容、広告プランニングの事例について。
第8回広告都市という考え方ーーディズニーリゾートと渋谷の分析を通じて:
「都市」と「広告」の歴史を考える、1980年代の渋谷カルチャーと広告、ディズニーランドのブランド戦略と広告について。
第9回企業の社会的責任とネット広告の闇:
ネット広告が抱える問題の「専門用語」を知る、消費者行動からネット広告の仕組みを考える。
第10回事例分析①カンヌ国際広告フェスティバルの受賞作品を分析しよう:
PR視点の広告作品とは何か、ブランド・アクティビズムとは何か、広告とフェミニズムについて。
第11回広告と法規制:
日本広告審査機構とは何か、景品類及び不当表示防止法とは何か、不正広告とエラー広告の違いについて。
第12回<クチコミ>の役割と発展について:
<クチコミ>の誕生、<クチコミ>の普及の仕方、デジタル時代の<クチコミ>投稿について。
第13回社会問題と広告の関係性:
日常的概念の誕生と広告、広告制作現場の声について。
第14回総復習と広告の今後についてのディスカッション
評価方法 / Evaluation 本講義は以下の基準に基づいて,成績を付与する.
S:90点以上,A:80点以上,B:70点以上,C:60点以上,E:60点未満

コメント小課題点:60点(満点)
毎講義中にコメントペーパーを配布し,講義終了時に回収する.提出期限は配布当日の講義終了後10分以内とする.偽装防止並びに授業出席者との公平性の確保のため,それ以外の時間帯においてはいかなる理由による提出も受け付けない.なお,コメントペーパーの配点は5点満点×12回を予定している(初回と最終回を除くため).コメントペーパーの採点基準については初回授業時に説明する.

期末テスト:40点(満点)
14回分の講義内容に関して,論述式のテストを行う.①与えられた課題に対する応答となっているか,②与えられた形式を守っているか,③講義の内容を理解しているか,④適切なアカデミックスキルを身につけているかという4つの観点について,4問(10点満点/問)の合計40点満点とする.
教科書等 / Textbook 教科書は指定しない。
参照すべき文献や資料は授業の中で指示する。
準備学習 / Preliminary study 本講義では、授業で学んだことを自分の言葉でまとめたり、疑問点を明らかにしたりすることが求められるため、日頃からアカデミック・ライティングスキルの向上を心がけること。
大学におけるレポートの書き方に関する書籍に必ず目を通しておくこと。
また、各授業内で配布した論文や資料を読んで、語彙を調べたり、わからなかったことを洗い出しておくこと。(1時間程度)
担当教員問合せ先 / Office to contact 服装社会学研究室(A064)
備考 対面形式を主とするが、その時々の感染状況に応じて、大学の方針に従う。