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講義名 ハンディクラフト D
(副題)
講義開講時期 後期 講義区分 演習
基準単位数 1
校地 2学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Handicrafts
学部・学科 国際文化学部国際ファッション文化学科

担当教員
氏名
◎ 高橋 良子

授業概要 / Class Description ハンディクラフト(手芸)の中の刺しゅう技法を中心に学ぶ。刺しゅうにはさまざまな技法があるが、ここではステッチワーク(刺しゅう糸などで刺す装飾)、ブライトワーク(金糸銀糸、ビーズ、スパングルなどを刺す装飾)、リボンワーク(リボンで刺す装飾)、コードワーク(コードで装飾),ミラーワーク(鏡などを用いて装飾)、スモッキングなどの基礎知識と装飾技法をブックカバー、ブローチなどの課題製作の実習体験から技法を学ぶ。それぞれの技法に即した使用素材・用具・図案の写し方・刺す糸や刺す素材に使用する針と針目の関連といった知識を身につけ、応用力や発想力をも養い、自由な作品へと展開できる能力を養う。また、応用作品ではロシア刺繍のソウタシエ技法を学び、ブライトワークであるビーズ刺しゅうと合わせたアクセサリーを制作する。
到達目標 / Goal 2課題の製作から、ハンディクラフト(手芸)の装飾技法のなかの刺しゅう技法について、基礎的な知識と技術を身につける。刺しゅうを施す素材に適した技法選択ができ、刺しゅうの各種ワーク(ステッチワーク・ブライトワーク・リボンワーク・コードワークなど)やステッチ名称ごとの技法を習得して、デザインに応じた刺しゅう糸やリボン、コードなどの選択とその扱い、使用する針と針目などの選択判断ができる能力をつける。
さらにステッチワークやブライトワークなどの刺しゅう技法を生かしたファッションデザイン発想や衣服装飾、アクセサリー製作などが、自在にできる能力を身につけることを到達目標とする。
さらに、2020年度の履修学生が応募したように、応用作品のアクセサリ制作作品は、アートジュエリー部門などのコンテストに応募できるような高度な作品制作を目指し、コンテストに応募することを到達目標とする。
実務経験 / Business Experience ●教育関連の実務経験  1977年4月文化女子大学(現 文化学園大学短期大学部服装学科)の副手に採用されてから、助手を経て1985年4月より専任講師となり、[被服構成学]および[アパレルCAD」「平面作図」などの科目を担当する。1997年4月助教授、役職名変更により2007年4月に准教授となり、2012年4月に教授となる。2013年から文化学園大学短期大学部服装学科の教授となり、2016年3月まで在任し教授で定年退職する。退職時の担当科目は「ファッションクラフト(刺しゅう)」「ファッションクラフト(編み物)」「アクセサリークラフト(帽子・造花)」などを担当する。また、2016年4月からは、文化学園大学服装学科の非常勤講師を務め、前述の科目を担当する。さらに2017年からは、文化学園大学現代文化学部国際ファッション文化学科の非常勤講師となり「ハンディクラフト」で刺しゅうを中心とした科目を担当している。
●その他実務経験  手芸関係の教員経験から、手工芸(陶芸・工芸・クラフト)などを芸術として世に知らしめ、新しい技術者の発掘を目的に行われている「AJCクリエーターズコンテスト」の審査員や、シードビーズ協会主催のコスチュームジュエリーコンテストの審査員も務めることで、この経験を次世代を担う若者の服飾工芸への興味喚起につなげ、工芸技術の向上を期待し、教育現場にも還元している。
授業計画 / Class schedule
担当教員・担当教員フリーテキスト内容
第1回高橋 良子オリエンテーション
刺しゅうの基礎知識(用語・種類・材料・用具・他)講義
(1)課題1 刺しゅう基礎課題(ブックカバーの製作)
①-1 図案配置と図案の写し取り実習
①-2 25番刺しゅう糸の扱い方と刺しゅう針の知識 
第2回高橋 良子②—1 ステッチワークとは(線刺しと面刺し)
②—2 アウトラインステッチ他
②—3 バックステッチ他 
第3回高橋 良子③-1 サテンステッチとロング&ショートステッチ他
③-2 チェーンステッチなど
③-3 角の刺し方、輪とめ、ステッチの組み合わせ方他
第4回高橋 良子④-1 ブランケットステッチ他
④-2 スパイラルステッチ他
第5回高橋 良子⑤-1 ノットステッチ(フレンチノットステッチ他)
⑤-2 マウントメリックステッチ他
第6回高橋 良子⑥-1 ブライトワークとは
⑥-2 ビーズの扱い方と刺し方
⑥-3 リボンワークとは
⑥-4 リボンの扱い方と刺し方
第7回高橋 良子⑦-1 コードワークとは
⑦-2 コードの扱い方(刺し始めと終わりの始末)
⑦-3 コードワークの技法と刺し方
第8回高橋 良子⑧-1 スモッキングワークとは
⑧-2 スモッキングの刺し方
⑧-3 アップリケとは
⑧-4 アップリケの技法と刺し方
第9回高橋 良子⑨-1 ミラーワークとは
⑨-2 ミラーワークの技法と刺し方
⑨-3 ブックカバーの仕立て
⑨-4 課題1の提出方法について
第10回高橋 良子課題1の提出と評価

(2)課題2 刺しゅう技法によるアクセサリー製作
       (ブローチまたはヘアーアクセサリー)
①-1 コードワークの応用 (ロシア刺しゅうソウタシエ)
①-2 刺しゅう技法によるアクセサリー製作実習 その1 
第11回高橋 良子②-1 刺しゅう技法によるアクセサリー製作実習 その2
②-2 ソウタシエのパーツ製作
第12回高橋 良子③-1 刺しゅう技法によるアクセサリー製作実習 その3
③-2 石やパールの装飾方法
第13回高橋 良子④-1 刺しゅう技法によるアクセサリー製作実習 その4
④-2 フリンジの解説と実習
④-3 アクセサリー金具の種類と取り付け方

※ 課題2の提出方法と評価方法について  
第14回高橋 良子⑤-1 課題2 刺しゅう技法によるアクセサリー作品の提出と評価 
⑤-2 刺しゅう技法によるアクセサリー作品のプレゼンテーション
⑤-3 授業のまとめ 刺しゅう作品の管理と手入れ
授業形式 / Teaching Method 対面授業を原則とするが、社会状況によっては、双方向の対話型オンライン授業とする。また、毎回の技術に関する課題については、担当者が制作したYouTubeの限定動画を活用して、自宅で毎回の授業内容を振り返り、自宅実習することで、確かな技術力を身につけることができる形式で行う。さらに動画での技術習得が難しい場合は希望によっては、zoomでの個人指導も行う。毎回ごとの課題については、個別の点検指導により刺しゅうやアクセサリー製作の基礎的な知識・技術を身につけ、ファッション界で活躍するために必要な手工芸的な能力を開発し、応用能力をつける形式で行う。その積み重ねから卒業後、デザインや手工芸の世界で仕事をするために役立つ技術を学ぶ。また、基礎課題などで身につけた技術を用いて自由に発想し応用課題で制作した作品は、希望によりコンテストに応募するので、将来の進路選択の実現に向けて自己判断にすることもできる。制作した2課題は、最終回でプレゼンテーションすることで、人に製作課題のコンセプトや、「ものつくり」に対する姿勢、考えを伝える能力も養える複合型の授業形式で行う。
評価方法 / Evaluation 評価方法:A(S)~C・E評価  
     S評価は無遅刻無欠席かつ提出作品が完成度の高いものである場合。
     A評価は欠席2回未満かつ提出作品が完成度の高いものである場合。
     B評価は欠席3回未満かつ期日に提出作品が提出された場合。
     C評価は欠席4回未満かつ期日に提出作品が提出された場合。
     E評価は欠席が3分の1をこえた場合。および、提出作品が期日に提出され
     ない場合は不合格。

評価の基準:授業態度50%=毎回授業で刺したステッチ等の提出分に対して各回ごと
      に採点し、さらに、最終提出された授業ファイルの点数も平常点に加え
      採点する。
作品50%  =完成作品に対する採点。
      以上を、総合的にみて、合計点数で総評価する。
教科書等 / Textbook 配布プリントで授業を進めるため、教科書の購入はない。
しかし、プリント配布されたものが教科書の代わりとなる。
オンライン授業の場合は、プリント配布は各回ごとにデータで送信するので、各自で
プリントアウトを終えて授業に臨む。
プリントは授業に合わせ随時配布や配信するため、配布プリントへの注意や書き込み、
毎回のノート作成をファイルに整理し、それを授業態度に加点するので授業には遅刻
せずに出席する。 
最終授業を終え、指定される日時までに指定場所に完成作品と授業ファイルをまとめて
提出し、最終成績が入るので、プリントは各回ごとに大切に保管する。

※初回授業持ち物のメールをみて、指定のファイルや使用材料を購入し初回に準備して
 おく。
準備学習 / Preliminary study 1.刺しゅうに関する専門雑誌や技術教本などの書籍を図書館等で見て下調べを行い、
  刺しゅうに興味と関心をもって授業に望むことが、望ましい。
  また、刺しゅうの施された商品の市場調査などにも関心を持っておく。
2.毎回の授業で実習があるため、やむを得ず欠席した場合は、配布プリントや、
  オンライン授業の場合はビデオを見て、自宅自習を行い、次回授業に遅れが
  生じないようにする。
3.授業時間内に刺し終わらなかった作業は、次回授業までに覚え、刺し終えて
  次回授業に臨むこと。
担当教員問合せ先 / Office to contact 国際ファッション研究室(D47)または、授業時に連絡方法を提示するので、授業担当に
直接問い合わせる。
備考 1.初回授業の前に指定使用材料などの準備をする
  ※用布・刺しゅう糸・刺しゅう針・ビーズ・スパンコールなどがセットされた
   刺しゅうセットを購入をした上で初回授業に臨むこと。
  メール連絡を確認して初回授業には、指示された用具や材料を揃えて手元に
  おいた状態で授業に臨む。
2.刺しゅう糸、刺しゅう針、 ビーズ、リボン、コードなどの基本習得にかかる
  材料を購入したうえで、初回授業に臨み、初回から刺繍セットを使用する内容
  であるため、材料費がもったいないので、途中放棄をしないこと。  
3.授業選択にあたっては毎回新しい技法を習得する実習科目なので、遅刻、欠席
  しない心構えで受講。
4.応用作品については、自由に各自でビーズ、コード、クリスタルなどの材料を
  そろえるため、応用作品の材料費が、基本刺しゅうセットの材料費以外に必要
  となる。ただし、材料費を抑えても技術で高度な作品制作は可能なので、材料費
  に対する心配は必要ない。