回 | 内容 |
第1回 | 序・心性史としての服飾史:19世紀以来の西洋服飾史研究を概説し、時代の感性・心性を解くための新たな服飾表象論について解説する。 |
第2回 | 中世服飾のシンボリズム(1)封建儀礼:封建制度に関わる儀礼にシンボリックな身振りや服飾の伴うことを述べ、衣服の社会的象徴性を論じる。 |
第3回 | 中世服飾のシンボリズム(2)愛の儀礼:袖をめぐる習慣(袖を縫う)や儀礼(袖を贈る)を事例とし、中世の恋愛思想を考える。 |
第4回 | 中世服飾のシンボリズム(3)変容の儀礼:王の聖別式や入信の儀式などの儀礼における服飾の意味について述べ、中世の服飾表象の特質を論じる。 |
第5回 | 色彩感情と色彩論(1)排除と蔑視の黄色と縞柄:今日まで残るヨーロッパ独特の感情をもつ色と文様について、特に嫌悪された黄色と縞柄を取り上げる。 |
第6回 | 色彩感情と色彩論(2)緑と自然感情:ヨーロッパの季節感が生み出した緑色に対する正負の感情について述べる。 |
第7回 | 色彩感情と色彩論(3)黒の発見と黒服の系譜:中世末期に流行色となった黒が、その後プロテスタントの倫理からブルジョア倫理まで、どのような思想の影響下で服の色として定着したのかを述べる。 |
第8回 | 文様の意想(1)紋章とドゥヴィーズ:中世服飾文様のソースとなった遊戯的な紋章(ドゥヴィーズ)について、図柄のバリエーションとその取材源を示す。 |
第9回 | 文様の意想(2)涙滴文の表象と文学的抒情性:中世末期のメランコリックな時代感情のなかで流行した涙模様について、その背景に文学趣味のあったことを述べる。 |
第10回 | 文様の意想(3)『動物誌』と動物表象:動物文のドゥヴィーズは、古代の博物誌を継承し、中世に多くのヴァージョンを生んだ動物誌に取材されることが多い。動物誌を通して動物文の意想を考える。 |
第11回 | 近代におけるレトロ・ファッション(1)発端と様相発端と様相:1830年代のパリで、アーチストから若者へ波及した中世風ファッションについて、その具体像と芸術、また風俗の背景を示す。 |
第12回 | 近代におけるレトロ・ファッション(2)仮装舞踏会と舞台衣裳:懐古ファッションの背景にある、カーニヴァルの仮装舞踏会の隆盛、およびロマン主義の演劇思潮について述べる。 |
第13回 | 近代におけるレトロ・ファッション(3)演劇・美術・文学・服飾の相関:ロマン主義の特徴が演劇・美術・文学の総合芸術にあることは既に指摘されているが、ここに服飾を加えることによりロマン主義がより立体的に捉えられることを論じる。 |
第14回 | 服飾文化研究の方法と課題(1):受講者の研究テーマについて、これまでの成果について発表し、今後の展開を討論をする。 |
第15回 | 服飾文化研究の方法と課題(2):受講者の研究テーマや本講のテーマを通して、服飾研究の方法および課題を検討・討論する。 |