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講義名 日本事情
(副題)
講義開講時期 前期 講義区分 講義
基準単位数 2
校地 1学年
必修・選択 選択
講義名(英文) Japanese Actual Situation and its issue
学部・学科 造形学部建築・インテリア学科

担当教員
氏名
◎ 加藤 薫

授業概要 / Class Description ・ 尊敬語・謙譲語・丁寧語(敬語)
・「あげる」と「くれる」と「もらう」(授受動詞)
・「雨に降られて風邪をひいてしまった」(迷惑受身)
・「お金を貸してもらった」(受益感を表わす補助動詞)
・「お似合いですね」の「ね」(終助詞)

本講義では、上に挙げたような、日本語に特徴的な言葉づかいを整理・考察する。そうすることで、日本の文化、社会、日本人の生き方について探りたい。
 
 合わせて、日本のPTAの問題(入会と活動が強制されてしまう)についても概観し、PTA問題からも「日本」というものについて考える。

 授業のまとめでは、日本語の特徴とPTAの問題に通底する、「日本」というものののあり方について整理する。
到達目標 / Goal ・日本語に特徴的な表現について具体的に理解できるようになる。
・日本語の表現に共通する傾向が理解できるようになる。
・日本のPTAの問題について、その概観を理解できるようになる。
・日本語の特徴とPTA問題から、日本というものに対する自分なりの見方を持つことができるようになる。
・日本の文化や社会、日本人の生き方について関心を持ち、反省的に振り替えることができるようになる。
授業計画 / Class schedule
担当教員・担当教員フリーテキスト
第1回授業の概観・目的
接続詞「だから」の感動詞的な使い方と、日本のPTA問題について簡単に紹介し、この授業で取り上げる内容と目的を確認する。
第2回授受動詞(1)「あげる」と「くれる」と「もらう」
世界の言語の中でも珍しい「あげる」と「くれる」の使い分けを中心に、授受動詞の使い分けについて整理。
第3回授受動詞(2)授受動詞の補助動詞的用法
授受動詞の使われ方から日本人の心理的傾向を考える。
第4回受身
直接受身と間接受身の区別を紹介。間接受身は日本語に特徴的な使われ方で、話者の被害感情を表わすことを学ぶ。
第5回「~てくる」
自己に向かう動作を表わす「~てくる」の用法を紹介。ここでは、これまでに学んだ授受動詞や受身と合わせて、日本語に認められる「自己中心性」を取り上げる。
第6回「自己中心性」とは
日本語に認められる自己中心性について、「自己密着」、「自己超越」、「自己離脱」、「自己の対象化」、「一人称視点」、「三人称視点」等の関連するターム(術語)から掘り下げて考える。
第7回敬語(1)敬語の分類
尊敬語・謙譲語・丁寧語
謙譲語についてはさらにいくつかのグループに分かれることも取り上げる。
第8回敬語(2)間違いやすい敬語
例題を解きながら、正しい使い方のポイントを学ぶ。
第9回敬語(3)世界の敬語
他言語の「敬語」と比較して、日本語の敬語の特徴を理解する。英語の「敬語」、韓国語の敬語との比較はやや詳しく行う。
第10回人称詞(1)
日本語の人称詞の特徴を他言語と比較して考える。
相手との関係性により変化する日本語の人称詞のあり方を具体的に整理する。
第11回人称詞(2)
日本語の人称詞の特殊なあり方から日本人の「自我」のあり方に言及した精神医学者(木村敏)の論考に学ぶ。
第12回日本のPTA問題(1)PTAとは
PTAとはどのようなものなのか、その基本的な姿について学ぶ。
第13回日本のPTA問題(2)PTAの実態
日本において、実際にはPTAがどのように運営されているのか、その問題点について紹介、整理する。
第14回日本語の特徴とPTA問題に通底するもの
古代ギリシャ哲学に由来するロゴス(論理)とパトス(情念)という言葉を手掛かりに考える。
評価方法 / Evaluation 評価方法:A(S)~C・E評価
評価基準:テスト60%、リアクションペーパー・受講態度20%、授業への参加姿勢20%
教科書等 / Textbook 教科書は使わない。
プリントを配布する。
準備学習 / Preliminary study ・自らの言葉づかいに意識的になる。
・日本でいま問題になっていることに関心を持つ。
・授業終了時には、学んだことを振り返り、疑問点があれば書きとめておく。
担当教員問合せ先 / Office to contact 国際文化・観光A研究室(D44)
備考 ●履修可能人数(人):50
履修登録学生が多い場合は抽選になります。